出産ママの声

2018年9月

私が助産院を選んだのは、なるべく医療介入なく自分の力で、母親主体で出産がしたいと考えたからです。

 

周りの出産を経験した友達の話しで、医師の考え方や方針、分娩方法、看護師さんの雰囲気など色んな病院があることを知りました。自然分娩の痛みは耐えられるけど、陣痛促進剤を使用した時の痛みは自然の時とは全く違い、人工的な痛みで耐え難いものであるということも聞いていました。

 

世の中の出産に対するイメージは痛い、苦しい、辛い、そういったものばかりですが、同時に素晴らしい経験だった、神秘的な経験だったなど、調べるとたくさんのポジティブな経験があることもわかりました。せっかくの生命を生み出すという一大イベント、出産のために出来る準備をして、そのイベントを余すことなく味わい尽くしたい、女の人にしか味わえない、生命の力を感じてみたいと思ったのです。

 

 

生まれる当日は予定日からなんと一週間も早まりました。初産だったので、遅くなると思い込んでいたため焦りました。

 

夜中にさらっと膣から何かが出て、トイレに確認に行くと、羊水のような水でした。ひろ先生に電話すると確認するので来てくださいとのことでした。

 

荷物をまとめて夫に車で助産院に向かったのが午前3時半ころだったと思います。見てもらうと案の定破水していて、そのまま入院となりました。夫はいったん家に戻り私は仮眠させてもらい、助産院で朝を待ちました。

 

午前中は破水しても全く陣痛がなくて余裕があったので、助産院でゆっくりと検査などをしながら過ごしていました。ランチには夫も合流してその後には近くのアイスクリーム屋さんまでお散歩に行ったりしながら過ごしました。

 

15時頃からなんとなく腰に違和感が出てきて、夫と一緒に陣痛の逃し方を調べて実践したり、過ごしていました。お夕食の18時半ころ、食べながら痛くなってきてご飯が喉を通らない!というところで先生に診てもらいました。すると、もう赤ちゃんの頭がすぐそこまで降りてきているとのことで、分娩ルームへ移動しました。

 

分娩ルームに入ってからは規則的に来る陣痛を乗り越えるのに精いっぱいでしたが、色んな姿勢を提案してもらい、なるべく楽になる姿勢を試しました。

 

身体の内側から出てくるエネルギーの波に全身に力が入ってしまい、リラックスして深呼吸をしなくてはとわかっているのに、それがなかなかうまく出来ません。出来ることなら、息まないで深呼吸だけで赤ちゃんに出てきて欲しかったのですが、その領域にはまるで到達できませんでした(笑)

 

内側からくるエネルギーを発散させるのに、先生に良い方法がないかを聞いたら、「声を出すこと」と仰ったので、声を出してみました。それはそれはすごい叫び声です。ですが、陣痛の痛みが声の振動によって分散されるのわかって、うまく声を響かせられた時はとても気持ちが良く、面白い発見でした。叫び声と身体の奥が繋がって振動している、これが私の中から出てくる命のパワーなんだと思うと素晴らしいと感動します。今はそう思えますが、その時は必死でした。

 

また陣痛を乗り越えると次の陣痛がくるまでは眠ってしまう位心地よい時間がきます。これはとても不思議だったのですが、緩急がものすごくて、この感覚にもびっくりしました。

 

そうこうしているうちにもう赤ちゃんの頭が出てきて、いよいよという瞬間、先生の提案で夫の膝の上にパッドをひいて、そこに赤ちゃんに出てきてもらいましょうという事になりました。私はただただ息むだけ。

 

そして、その瞬間が訪れました。グルグルグルンっと回転しながら私の股の間を潜り抜けて、夫の膝の上にごろりん!!と赤ちゃんが出てきました。ずっとお腹の中にいた赤ちゃんが目の前に現れて感動するのかと思いきや、夫と目を見合わせてただただ驚いたっ!というのが第一印象です。長かった出産が終わって(と言っても本当に大変な時間は2時間位の安産でしたが)、安堵と嬉しさもこみあげてきました。

 

夫もずっと私の両手を握りながら、私から抱きつかれながらの出産だったのでまるで同じチームの一員(ひろ先+助産師さん+看護師さんの5人の)でその時を乗り越えたという実感があります。一緒に協力して赤ちゃんを産んだ感がありました。このことは夫にとってもとても良い体験だったと思います。

 

入院中は赤ちゃんは本当に良く寝てくれて、私も休む時間が持てました。生後3週間は本当によく寝ていたし、8ヶ月になる現在も無駄に泣くことはなく、情緒が安定していてとても育てやすい子であることに母親として大助かりです。

 

助産院では出産直後からずっと一緒にいることが出来たので、赤ちゃんに余計な不安を与えることがありません。このことはその後の育児に大きな影響があるそうです。あまり知られていることではないのですが、赤ちゃんの為にはとても良いことだと思います。これは助産院を選んだ一つの理由でもあります。

 

 

退院してから3回、おっぱいマッサージで助産院に通いました。母乳育児が軌道にのるまでサポートが受けられるのはとても有難かったです。

 

助産院に来た時は、おっぱいマッサージを受けて、赤ちゃんはお風呂に入れてもらいその間は横になって休ませてもらえ、栄養たっぷりのお昼ご飯まで用意してもらえ、色んな話しも聞いてもらいアドバイスを頂けて・・・本当に至れり尽くせりの環境で子育てのスタートを切る事が出来ました。

 

ひろ先生をはじめ、スタッフの皆さんにはとても感謝しています。本当にお世話になり、有難うございました。助産院で出産出来たことは私の人生の宝物です。第二子もぜひ、よろしくお願いいたします!